これまでも地震に関する小説はたくさんあったが、地震後に襲ってくる津波にスポットを当てた小説は小説はそう多くない。
自分が江東区という、東京・下町の0m地帯に地下鉄を使って通勤していることもあり、ひとたび津波が発生したらどうなってしまうのかというのは、とても気になるところ。
東海・東南海地震が発生するとどんなことになるのかということが、単純に分かった。
単純に分かったというのは、知識として分かったということ。
どういうことかといえば、タイトルは”近未来ノベル” つまり小説であるが、ストーリーもなく、作者自身が調べたことを、とにかく登場人物に何とかしゃべらせようとしているという感じ。
絶対にこんな会話をする人たちが集まることは無いなという、リアリティーの無さが、地震や津波の恐ろしさを伝えるというよりも、作者の研究発表作品になってしまっている。
なによりも津波のことを意識するあまり、大地震が発生したら、確実に止る東京を始めとする大都市圏の地下鉄や新幹線、ローカル線が、すぐに動き出しそこに津波が襲うため、被害が発生するという想定。
最後は地震後のパニックを描きたかったのか、主人公が桃太郎侍のように日本刀を振り回し、暴漢を退治してしまう。
おいおい、一体どうなっちゃうの!? てな感じで、しらけてしまった。
近未来ノベル 東京大津波
~東海・東南海連鎖地震、遂に発生す!
柘植 久慶
PHP文庫
ISBN4-569-66392-3










